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「『釈迦御一代記図会』六　暴悪を罰して天雷流離王が王宮を焼君臣を撃殺す図」
葛飾北斎　弘化2年(1845)　半紙本

北斎が最晩年に手がけた釈迦の一生を描いた仏伝本。本図は、暴悪な行いを尽くし釈迦の一族を攻め滅ぼした阿世羅国の流離王が、釈迦の予言通り天罰を受け、地獄に堕ちる瞬間を描いている。北斎はその場面を、左に武器を振り上げ天罰の電を落とす雷神、右に爆風の渦の中に破壊される王宮を対比させる大胆な構成で表している。

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「『画本武蔵鐙』上　悪源太義平の霊　難波の六郎を引割く」
葛飾北斎　天保7年(1836)　半紙本

本書は北斎の三大武者絵本のひとつで、北斎の武者絵の迫力が存分に発揮されている。平治の乱で敗れた源義平の怨霊が連太鼓を背に、バチを手に持った鬼気迫る恐ろしい姿で、自らを斬首した難波経房を雷撃で引き裂こうとしている。空中で身をひねる一瞬が躍動感あふれる筆づかいで捉えられている。

画像提供：すみだ北斎美術館 / DNPartcom
作品解説：すみだ北斎美術館

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「冨嶽三十六景　相州七里浜」
葛飾北斎　天保2年(1831)頃　大判錦絵

神奈川県鎌倉市にある七里ヶ浜を描いたもの。作品の中にまったく人物を配さず、あたかも山水の一図を見るような画面となっている。入道雲が見えることから、おそらく夏の一時期と考えられるが、富士山には雪が見られる。
通常の七里ヶ浜とは異なった雰囲気、季節の相違など、不思議な画面構成になっている作品である。

画像提供：すみだ北斎美術館 / DNPartcom
作品解説：すみだ北斎美術館

＜AWAY/GK＞
「冨嶽三十六景　甲州三坂水面」
葛飾北斎　天保2年(1831)頃　大判錦絵

山梨県の旧御坂峠から眺望した、河口湖と富士の景色と説明されることが多いが、実際の峠からはこのようには見えないため、湖畔か湖面上から望んだ景色と考えられる。
この作品には、水面に映る富士山の位置と、実際の富士には雪が無いのに湖面の富士には雪が描かれている、という二つの疑問がある。しかしながら、それらよりも北斎の心の中の風景に想いが寄せられる。

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